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Eccentric Blind Historys

全盲旅行記 よし、広島へ行こう!

2017年12月2日/4日
広島へは修学旅行でも行っていなかったのでいつか行きたいと思っていたけれど、なかなかチャンスがきませんでした。
しかし今回、ベビーメタルのスゥが20歳記念ライヴをおこなうということが決まったのでいざ広島へ!

 東京から広島までは新幹線で約4時間。障害者手帳で運賃割引が適応になるのならば片道16000円ほど(確か)。
飛行機は乗り換えがあるので新幹線を選択。移動時間を少なくしたい人は飛行機もお勧め。

今回は広島の隣街の呉にある「外出援護サービスのにこにこ」さんをJBOSさんのサイトから見つけ連絡しました
2日間ガイドをお願い出来ないかと相談すると快諾してもらえました。連絡先は最後に記載しています。

日本人に限らず必ずといっていいほどに広島は行かなくてはいけない場所。小学4年生の時に原爆展の巡回展を町の公民館でやっていてやはりショックをこれ以上なく受けました。
多くの人がその悲惨さを目にしてトラウマになるように、僕もその例外ではありませんでした。それは極度のトラウマといっていいほどに。
いくつもの写真や地獄絵図が脳裏に今でも浮かびます。
歴史を考える上でどうしても広島・長崎が念頭にきます。どうして原爆が落とされなければならなかったのかということが頭の中から離れません。
原爆展を観てしまうと原爆はやはり「絶対悪」なのだけれど、そこで思考が止まってしまうと歴史の勉強は進みません。なぜ落とされることになったのか、落とされた後どういう歴史を歩んだのか。「絶対悪」だとしても多角的に分析しないと偏った歴史解釈になってしまいます。
僕も「絶対悪」で思考が停止して歴史を遡ることが出来ないでいた時期が長くありました。でもそれではいけないと少しずつ原爆関連の映画や小説を辛くとも観ることにしていきました。キャンディーズの田中好子さん主演の『黒い雨』は名作です!

帰路では元上司が推薦をしてくれた太平洋戦争関連の書籍を読みました。知らないことがやはり多いです。

さて、今回はガイドさんを調整してもらい、メールで行きたいところを簡単に書いて送信。本当に簡単で「平和記念公園」、「広島焼き」、「牡蠣」、「ライヴがおこなわれる広島グリーンアリーナ」と書いただけ。
到着したらカフェで行くところを打ち合わせしてから行動ということで安心して広島へ。
新幹線の中で仕事をしていたのであっという間に広島へ。

広島駅で出迎えてくれたのは男性2人。1人ずつ2日間廻るので一緒に打ち合わせかなと思い近くのカフェに。
自己紹介をする前に「これ食べて下さい!」とガイドさんが買ってきてくれました。
「あげもみじまんじゅう」!
もみじまんじゅうは食べたことはあったけれど、これはあげてあるのでサクサクっとしてかなりの美味!急いで食べてしまったので写真撮る暇がありませんでした(汗)
食べ終わってから自己紹介タイム開始!ガイドさんは僕のFacebookのプロフィールを読んでくれていました。「『2001年宇宙の旅』好きなんですね」とガイドさん。プロフにそんなこと書いたのをすっかり忘れていました。ガイドさんは68年の公開の時に映画館で観たとのこと。映画の話題でも盛り上がりました!

まずは行きたいところを提案。ガイドさんはリクエストに基づいて計算。まずはゆっくりと平和記念公園周辺を廻ることに。他についてはガイドさんお勧めの場所を廻ることに。

もう1人のガイドさんは明日来ると思っていたので翌日ホテルのロビーに9時でと相談。
しかしお2人は一緒に歩いて市電に。聞くとお2人が2日間一緒に廻ってくれると判明!
お2人が一緒に廻ることはほとんどないので聞くと、1人は誘導、1人は解説専門。何とも贅沢な旅!
費用はガイドさん1人分の食費と交通費を当方が負担。今回はもう1人のガイドさんは先方負担。これが今回だけなのか、そうでないのかは事前に確認するのをお勧めします。

駅ビルの中にあるガイドさんお勧めの広島焼きのお店に。中に入れるのがうどんかそばかが選べる。スタンダードはそばということでそれをオーダー。
全盲1人だとお好み焼き屋には行きづらいので余計に期待が高まります。目の前の鉄板で焼くと香ばしい香りが。

広島焼き本人
写真:広島焼き本人

焼き上がったものを口絵。とてつもなく美味しい!
この美味しさはガイドさんの焼き方の巧みさにあるのではないでしょうか。
結構量があったけれど3/4は食べました。残ったのはガイドさんが食べてくれました。

広島駅から市電に乗車。東京では早稲田~箕輪まで走っているのみ。広島といえば市電というイメージが強い。なぜ市電が発達したかと聞くと、広島は川が多いので普通の電車よりも市電の方が設置しやすいということらしい。
この市電は原爆投下後、3日後には一部が復旧して復興へのシンボルとなったようです。

平和記念公園に着くと、ベンチに座りながら広島の地図を手に書いてもらいました。広島はデルタ地帯にあって6つの川が流れていることを説明してもらいました。分かりやすい説明!

そしていよいよ本日のハイライトの原爆ドームへ。

原爆ドーム
写真:原爆ドーム

目の前にあの独特のシルエットを持つ原爆ドームが目の前にあることが自分の中でうまく飲み込めない。小学4年生の巡回展の時からそれが現在まで一直線で繋がった感覚を覚えました。
ガイドさんに手を使って空中に原爆ドームの絵を描いてもらいました。これはニューヨークのグラウンドゼロでもツインタワーがあった場所にガイドさんがしてくれた方法でイメージがつきやすいです。

世界遺産へも登録されているこの原爆ドームは原爆の最大のシンボリック。元アメリカ大統領のオバマ大統領もこの前で演説をしています。

「71 years ago, on a bright, cloudless morning, death fell from the sky. And, the world was changed.
「71年前の雲一つない晴れた朝、死が空から降り、そして世界が変わってしまいました」(拙訳)

ガイドさんはこのオバマの演説の一説を英語で暗記して語ってくれました。そう、世界は変わってしまったのです。
オバマはプラハ演説の後ノーベル平和賞を受賞していますが、核削減はおこなわれませんでした。しかしながらこの広島でスピーチをしたという事実は大きな業績です。原爆を落としたのはアメリカの責任ということには当然のようにしない訳なのですが、非人道的な核兵器使用について否定的なスタンスを明確にしています。
まだ僕の部屋にはこのオバマの広島での写真が掲載された新聞を保管しています。
国籍には捕らわれたくないですが、オバマが来たから広島に来るという日本人、外国人の観光客も多いのではないでしょうか。

シンボリックであるこの原爆ドームは独特のシルエットを持っています。
原爆ドームだけを「原爆そのもの」と思ってしまうのは間違いですけれど、先天性の全盲の方などには立体で作る模型「原爆ドームと産業奨励館の模型をつくろう」というものがAmazonでも売っているので見て見るのも良いかもしれません。
また、そこまでするのは難しいという方には原爆ドームのシルエットを比較的厚い紙に裏からボールペンなどを強く当てて書いて凹凸をつければ、ガイドさんにそれを触りながら説明してもらえるかもしれません。そうすれば独特のシルエットが頭に浮かぶでしょう。

平和記念公園全景
写真挿入 平和記念公園全景

有名なモニュメントの前に到着。原爆死没者慰霊碑に刻み込まれている「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」。という有名な言葉。物議を醸し出すけれど、素晴らしい言葉です。

無縁仏が眠られているお墓にもお参り。こういうものがあるとは知りませんでした。

ちょっと放心状態になったので近くのカフェでリラックス。他に原爆の関連の施設などないかと聞いてコンクリート造りで残った日銀跡や一瞬にして消えてしまった小学校などを巡りました。
歩いて移動しているので爆心地からの距離感も分かります。

爆心地地図
写真:爆心地地図

後にガイドさんから頂いた当時の市内の地図を見ると、少々離れた所には軍の施設もあるのだけれど、爆心地中心は商店街などが並ぶ市街地だということが分かります。マンハッタン計画では100万人以上の都市、軍の施設がある、大規模な空爆がおこなわれていない都市などがターゲットの条件になったとも聞きます。
戦後日本を統治する上で京都はかなり前に除外されていたと思っていたけれど、ポツダム宣言くらいまではターゲットにしたいとマンハッタン計画のメンバーは思っていたようですが、ギリギリになって変更された様子。
今住んでいる巣鴨もいわゆる1945年3月10日の東京大空襲の後の4月に城北大空襲で3月のそれよりも死者は少なかったものの、3月10日よりも多い焼夷弾が落とされて廃墟となっているので時々それを思い出します。

歩いていると日も陰ってきたので居酒屋にGo!待ってました!
3人でビールで乾杯!海鮮料理を堪能。残念ながら生牡蠣はなかったのでカキフライをオーダー。ずっとダイエットをしているので久しぶりのあげもの。美味しいです!

広島夕食牡蠣フライ
写真:広島夕食牡蠣フライ

他にも深海魚の卵かな。珍しい料理も出てきました。
僕は日本酒があまりだめなのでビールとハイボールを注文。日本酒好きの人は地酒も楽しめるでしょうね。
お2人は登山で視覚障害者を誘導している活動をしているということ。だから歩くのが速い!全く疲れを見せることはありませんでした。
日本や海外の旅行の話で盛り上がり、お酒も進みます!
ガイドさん「18切符などで列車で行くのが『旅行』。新幹線は『移動』です」なるほど。今回は旅じゃなくてちょっと行ってきます程度か。
その日は早めにホテルへ。色々考えようと思っていたけれど直ぐに就寝。

2017年12月3日
翌日お2人と9時にホテルのロビーで集合。
ロビーではガイドさんのお1人から『2001年宇宙の旅』の映画のパンフレットも頂いてしまいました!ありがたいことです。

おとなび
写真:おとなび

そしてキャンディーズの伊藤蘭さんがイメージキャラクターをつとめているJR西日本の大人が入れる「おとなび」のパンフレットも持ってきてくれました!今でも美しい!
でもまだまだ年齢的に入れません(涙)

本当は大好きな女優さんの尾身美詞(おみ みのり)さんが声の出演をした映画『この世界の片隅に』の舞台にもなった呉にも行きたかったけれどちょっと離れているので断念。軍艦ファンは戦艦大和のミュージアムもあるので行ってみてはいかがでしょうか。
そして宮島にも行きたかったですがあまり時間がなく断念しました(涙)

当初は広島城に行こうと考えていたけれど、平和記念公園をゆっくりと廻りたいので再び公園へ。有名なモニュメントの他にも韓国人の犠牲者のためのモニュメントもあるのでお参り。なぜ一緒ではないのかは議論が分かれるところ。

被爆したあおぎりの木にも行きました。爆心地から1300メートル離れた場所で被爆したにも関わらず毎年年輪を重ねている木。移植して記念公園で今も生きています。
丁度葉が落ちる季節。周囲には枯れ葉がいくつもあったので一つ拝借。手のひらほどの大きさだったけれど、薄いポテトチップスのようにパリパリとしていて持ってきたら原型をとどめていませんでした。でも小さくなっったけれど大切に保管します!

恐らく人間よりも長生きしている木。黒い雨を浴びながらも生き続けている偉大な力は、地球は人間のものではなく、そこに間借りしているだけということを考えさせてくれます。この葉も地面に落ち、そして土になり、また木の生きる源となって風や陽の光を浴びて生き続けるのでしょう。
こんなことを考えているとアニメではなくマンガの『風の谷のナウシカ』を思い出します。

少し歩いて原爆投下のターゲットになったT字の形をした相生橋へ。どの程度の大きさなのかと分からなかったけれど歩いてみるとその大きさが分かります。確かに小さくはないのでエノラゲイからも確認出来たのでしょう。

爆心地人なし
写真:爆心地人なし

ここが本当の爆心地。当時から今も病院です。爆心地の病院で人が一瞬にして亡くなり、今も病院として活動しているのは何か私達に訴えてくるものがあります。
この上空600メートル上で8月6日8時15分に人類初めての原爆が実戦投入された場所。やはり空をしばらく眺めました。

徒歩で広島城へ。途中前日食べ過ぎたせいもあり胃がキリキリ。近くの薬局に行って胃薬を購入。しばらくすると治りました。

到着すると広島城のゆかりを説明してもらいました。戦国時代から江戸時代への変遷は複雑なのですが、勉強になります!

広島城全景
写真:広島城全景

ガイドさん2人と記念撮影!僕はイベントバージョンのヘアースタイル。
天守閣の近くには行かずにベビーメタルの会場である広島グリーンアリーナに!

徒歩で15分ほどで到着。物販を買うために少し早く到着しました。無事Tシャツとトートバッグを購入!

BABYMETAL広島神器アップ
写真:BABYMETAL広島神器アップ

マスク・マント・ネックレスという三種の神器が全員に配られます!アイテムを装着して会場時間までゆっくりとガイドさんとお話しました。
広島の歴史についてガイドさんは「私達は伝えるのが役目。あなたたちが変えるのです」と何とも重い言葉を頂きました。

ベビーメタルの後は広島駅に行って居酒屋で飲み!やはりここでも海鮮料理です!
他にも雰囲気の良さそうなバーを探していたのでGO!

翌日は歩き疲れたのと飲み過ぎで予定よりも長くチェックアウトギリギリまで就寝。
おみやげに友達からお勧めのお菓子の名前を教わったけれど忘れてしまったので定番のもみじまんじゅうを購入。
後から聞くとカラスムギクッキーというお菓子とか。通販で買えるけれどやはり現地で買わないと意味がないので次回に買うことに。

広島はもちろん平和記念公園が意味としては大きいけれど、他にも観光地が多いし、料理も美味しいし、お酒も美味しい!
感じて考えること、楽しむこと、両方が出来る素晴らしい場所です!
「おとなび」に入れる頃にはまた行きたいです!

※ガイドさんをお願いするのでしたらこちらにご連絡してみて下さい。
行きたい場所、簡単なプロフィールも送ってもらえるとガイドさんも行かれる場所を考えてくれるそうです。ボランティアさんなのでご期待にそえない時期もあるのでまずはご連絡してみて下さい!

外出介助ボランティアサークル「にこにこ」
連絡先
住所 広島県呉市<以下、非公開>
Email: nikoniko@jbos.jp

全盲の作家 石井宏幸

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